聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
恋愛相談
「なあ友、相談したい事があるんだけど……放課後時間くれないか?」
ファーストキス騒動があった数日後、神妙な顔つきで弘樹がそう言ってきた。
「相談?」
「ああ……。あ、もちろん黒斗も一緒でいいぜ? でも高志には何も言わないでくれよ? あいつに相談したらなんて言われるか……」
と弘樹は苦虫を噛み潰したような顔になった。
「いいよ、分かった」
あたしが承諾すると、その苦い顔はホッとしたような笑顔に変わる。
「そっか、良かった。ありがとな」
そう言って弘樹は片手を上げて自分の席に戻って行った。
「相談ねぇ……」
弘樹はむしろ相談されるほうが多い奴だから、相談してくるなんて珍しい。
でもあたしは正直ちょっと嬉しかった。
だって、相談してくるって事は友達として信頼してるって事でしょ?
そんな風に思ってくれるのはやっぱり嬉しいもんね。
でも何の相談だろ?
検討もつかないな……。
ちょっと考えてみたけど分からない。
とにかく放課後になれば分かるよね。
そこまで思ったとき、次の授業の先生が教室に入ってきて授業が始まった。