【短編】先生彼氏
「俺、我慢する自信ないわ…
渚が男と喋るだけで狂いそうなる」
圭兄は、あたしの言葉に安心したようで
聞いたこともないくらい弱々しい声を出した。
「俺、渚のこと本間に好きや…」
「圭兄?うちも圭兄大好きやで。
うちだって、圭兄がみんなと喋るん見ると
ヤキモチ妬いてまうねん」
うちだって、我慢する自信ないわ……
でも、
「1年頑張ったら、普通の恋人なれるやん?」
「渚…」
「うちは、圭兄との仲がバレて
別れてしまうようなことがあるなら
まだ、我慢してでも圭兄の傍にいたい」
せっかく再会できたのに。
せっかく初恋が実ったのに。
別れるなんて、絶対嫌や。
「だから、先生?
これからも傍にいてくださいね?」
うちは、本気で圭兄との初恋を
終わらせへん。
だから、1年間頑張るって決めたんや。
うちは、そのまま先生に抱き付いた。