【短編】先生彼氏



「俺、我慢する自信ないわ…
渚が男と喋るだけで狂いそうなる」


圭兄は、あたしの言葉に安心したようで
聞いたこともないくらい弱々しい声を出した。


「俺、渚のこと本間に好きや…」

「圭兄?うちも圭兄大好きやで。
うちだって、圭兄がみんなと喋るん見ると
ヤキモチ妬いてまうねん」


うちだって、我慢する自信ないわ……
でも、


「1年頑張ったら、普通の恋人なれるやん?」


「渚…」


「うちは、圭兄との仲がバレて
別れてしまうようなことがあるなら
まだ、我慢してでも圭兄の傍にいたい」


せっかく再会できたのに。
せっかく初恋が実ったのに。


別れるなんて、絶対嫌や。


「だから、先生?
これからも傍にいてくださいね?」


うちは、本気で圭兄との初恋を
終わらせへん。


だから、1年間頑張るって決めたんや。


うちは、そのまま先生に抱き付いた。



< 30 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop