大好きでした。
授業が全部終わって放課後になった。
伊織は部活だから一緒には帰れない。
今日は委員会で少し帰るのが遅くなってしまった私はため息を吐きながら靴を履き替えて昇降口から出た。



「あ…。」



前から歩いてきた人を見て思わず声を出してしまった。
前から歩いてきた人は信太先輩だったのだ。



「…。」


「…。」



無言のまま通りすぎようとしたら腕を捕まれた。


「挨拶は?」


「は?」


「挨拶は?」



ニコって笑っていった信太先輩が怖かった。
思わず腕を払いそうなのを我慢して



「さ…さよなら。」



そうひきつる顔で挨拶をした。



「はい。さよなら。」



と言ったから腕を離してもらえると思ったのに離してはもらえなかった。


「と言いたいんだけど俺さ陣ちゃんに頼まれてるからさ~。まったくめんどくさい。」
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