大好きでした。
「うるせぇ、恋汰。一気に喋んな。蓮が混乱してる。」


「え?あぁ!!しっかりして!!蓮ちゃん!!」


「私はしっかりしてます!!」


「そ?よかったぁ!!で、怪我は?」


「ないですよ?心配してくれてありがとうございました。」



そう言って頭を下げるのと同時に玄関のドアが開いた。



「あら?蓮帰ってたのね?」


「うん。ただいま♪」


「お帰り♪蘭にはきつく言っといたからね?なにかされたらママに言うのよ?」


「うん。」


「そちらの方は?」


「この人は瀧澤 陣先輩。私の先輩でお兄ちゃん達の後輩なんだ。」


「そうなの?イケメンさんね?いつも蓮がお世話になっております。」


「あ、いえ。こちらこそ。」


「じゃあ、ママ達は用事があるから行くわね?」



そう言うとママは玄関のドアを開けて中に叫んだ。



「貴方!!早く♪蘭!!蓮になんかしたら承知しないわよ!?いいわね!?」



最後のほうは怒声にちかかった…。



「じゃ、行ってくるわね?」


「行ってらっしゃい。」


「パパもママも帰りが遅いから何かあったら蘭に言うんだぞ?」


「はい。」


「蘭!!ちゃんと面倒見ろよ!?」


「あー、はいはい。」


「じゃあな。」



私の頭を撫でて二人は車に乗ってどこかに行った。
玄関から顔をだしたお兄ちゃんは正座がキツかったのか顔を歪めて何とも言えない様子だった。



「お疲れ様。」


「…。」



一言そう言って自分の部屋に行った。
ドアもちゃんと直ってるし完璧!!



「ちゃんと直ったろ。」


「あ、お兄ちゃん。うん。あとで蒼太君にもお礼言わなきゃ♪」


「俺にお礼は?」


「はぁ?なんでお兄ちゃんにお礼なんか言わなきゃなんないの?そめそもドアを蹴破ったお兄ちゃんが悪いんじゃん!!」


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