大好きでした。

そう言ってお兄ちゃんを見ると涙を流していた。


｢え…。お…お兄ちゃん？｣


｢ごめんなぁ？蓮？俺がお前はもう妹でも家族でもねぇなんて言わなけりゃ家出することもなかったよな？｣


｢言われても当然のこと言っちゃったんだもん…。お兄ちゃん謝らないでよ…。｣


｢蓮…。じゃあ、お互い様ってことで仲直りな？｣


｢うん!!｣



お兄ちゃんは涙を流しながら頭を優しく撫でてくれた。
海鈴君達にももう一回謝ろうと振り返って気づいた。

陣先輩がいる。
もしかして陣先輩も探してくれたの？


そう思いながら海鈴君のほうに視線を動かした。


｢海鈴君…。蒼太君…。恋汰君…。彼方君…。源太君…。翔くん…。酷いこと言ってごめんなさい。馬鹿だなんて思ってません。みんないい人達なのについカッとして言っちゃいました…。陣先輩も心配かけてすいませんでした。｣



頭を下げた私の頭を誰かが撫でた。
顔をあげると海鈴君が優しい顔で微笑んでいた。


｢みんな昨日蘭から話は聞いた。正直ショックだったけど、本当のことだからみんな気にしてない。｣

｢海鈴君…。｣


｢そうそう!!だって俺達馬鹿だもん。海鈴以外はね？｣


｢｢｢あぁ。｣｣｣


｢それよりも蓮が無事に帰ってきてよかったよ。｣


｢許してくれるの？｣


｢許すもなにも俺達は家出をしたことに怒ってるだけだから帰ってきたんだし許すよ♪｣


｢あ…ありがと…。｣



皆がソファーから立って私の頭をポンポンッと順番に叩いてリビングから出てお兄ちゃんと部屋に行った。

リビングには陣先輩と私だけ。



｢陣…先輩。｣


｢…心配した。皆昨日から寝てねぇんだ。蘭さんなんかずっと外に立ってた。｣


｢……。｣


｢蘭さんから電話がきて出たら蘭さん物凄く焦ってた。

俺のせいで蓮が家出しちまった。
なにかあったら俺のせいだ。

って。
蓮…。蘭さんはいい人だ。いい兄ちゃんなの分かってるんだろ？｣


｢はい…。｣


｢なら、もう蘭さん達を心配させるな。｣


｢はい…。｣