大好きでした。
「…………。」



ずっとお兄ちゃんを羨ましく思いながら見ていたら私をお兄ちゃんが馬鹿にしたようにタイミングよくフッと鼻で笑った。


「………。」



馬鹿にしてんのか?

まわりを見渡したらたまたま木製バットを見つけた。
黙って木製バットを手に持ってお兄ちゃんの前に仁王立ちした。

深呼吸して木製バットを振りかざし



「お兄ちゃん!!おはよー♪朝ですよ~!!!」



と叫びながらお兄ちゃんのお腹に向かって思いっきり真下に降ろした。



「ングッ!?」


「おはよ?お兄ちゃん♪」

「ゴホゲホッ!!は…蓮!!てめ…ウゲホ!!ゴホゲホゲホゲホッ!!」



お兄ちゃんはお腹を抱えながらのたうち回っている。
そのせいで、



「いでっ!!」



恋汰君に当たったり、



「いで~!?!」



源太君に当たったり、



「ウグッ!?」



蒼太君に当たったりして最後はテーブルの足に頭をぶつけて静かになった。

私はその間に証拠隠滅のため元の場所にバットを戻し、海鈴君を優しく丁寧に起こした。



「海鈴君。海鈴君。起きて?起きてくれたら私もっと海鈴君を好きになっちゃう♪早く起きて私を守って?」


「ん~…。おはよ…。蓮。」


「ありがと!!やっぱり海鈴君大好き!!」



そのまま海鈴君に抱きついてお兄ちゃんが容赦なく降ったバットを避けた。



「朝から何やってんだよ?」


「こいつが木製バットを思いっきり俺の腹に振り降ろしたんだよ!!」


「そうなのか?」


「…ごめんなさい。でもお兄ちゃんが私を馬鹿にしたようにタイミングよくフッて笑ったからよ!!私がお兄ちゃんよりも綺麗な顔してなくてブッサイクなのを笑ったの!!」


「そうなのか?」


「ちげーよ!!そもそもこいつが俺よりブッサイクなのなんて今に始まったことじゃねぇだろ?今さら笑わねぇよ!!」


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