大好きでした。
陣先輩は満足そうに笑って病室のほうに向かって歩き始めた。



「入るぞ。」


「うぃ~。」



信太先輩の病室の前に着いて声をかけると信太先輩は変な返事をした。



「おはようございます。」

「お!!来たか!!お騒がせ娘と俺のカボチャ……プリンは?」



信太先輩は私の手を見て何も持ってないことが分かると睨みながら聞いてきた。



「あ!!カボチャプリンは陣先輩が…。」


「陣ちゃんが?…って、ああああああああ!!!!!!!ちょっとちょっと!!!??なんで陣ちゃんが食ってんの!?なんか全部食っちゃいそうな勢いじゃんか!?」


「うるせぇなぁ…。俺のぶんも作れって頼んだんだよ。ほら、お前のぶん。」

「あ?あぁ。そうか。」



信太先輩はそう言うと陣先輩が座ってる隣に座った。
信太先輩の病室は個室になってるからソファーもあるし自由に過ごせていいところだ。



「ん~!!やっぱカボチャプリンは最高♪」


「蓮がつくんのうめぇんだろ?」


「そうとも言う♪」



そんな二人のやり取りを見ていて本当に仲良しなんだなって思った。
そーいえば信太先輩が入院してから3日は経った。いつ退院するのかな?


「あの、先輩?」


「「あ?」」



あ、しまった!!
今、ここに先輩二人いるんだ!!



「あーっと、陣先輩じゃなくて…。」


「あぁ。俺か。」


「はい。し…先輩は退院いつするんですか?」


「あと4日はできない。…つか別に名前呼んでいいし。」


「え…。」


「お前…蓮はそこら辺の媚売ってくるケバくて香水くせぇ気持ち悪ぃ女共とは違って、優しいし俺達と話しても態度が変わんなかったしな。いいぜ?蓮のこと認めてやるよ。」

「えっと、なんだかよく分かんないけどありがとうございます。これからよろしくお願いします!!」


「おう!!」



私が信太先輩と仲良くなれた瞬間だった。
この日から私は陣先輩と信太先輩と一緒にいるようになった。
< 41 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop