大好きでした。
「じゃ、俺帰るから!!陣ちゃん早く風邪治してな!?蓮!!頼んだぞ!?」


「はい。分かってますよ。」


「じゃあな!!頼んだぞ!?」

「はいはい。分かりましたってば!!」



何回も繰り返し言う信太先輩は本当に陣先輩が大好きなんだと思った。

部屋に戻ると陣先輩が水を飲みたいと言ったからコップに注いで持って行った。
飲むのが大変そうで、見ていられなかった。
あまりにも元気がなくていつもの陣先輩じゃなくて変な感じがした。



「陣先輩、薬飲みましょう?」


「リビングの…戸棚の…引き…出し。3段目に。」


「リビングの戸棚の引き出しの3段目ですね?分かりました。取ってきますから寝て待ってて下さい。」



また1階に下りて言われた通り見てみたら薬があった。
持ってきたコップにまた水を注いで持って行った。



「先輩。飲んでください。」



薬を年齢にあった数手に取ると一瞬だけ嫌そうな顔をしてゆっくりと掴んで口に一気に入れて水を飲んだ。



「飲めました?」


「…ん。」



コップを受け取って寝転んだ陣先輩に布団をかけた。
コップを置きに行こうと立ち上がったら陣先輩に服の裾を掴まれた。



「…?先輩?」


「こ…こに…、いて?」



苦しそうに顔を歪ませた陣先輩の瞳は潤んでて綺麗だった。
吸い込まれそうな瞳にドキッとした。
まるで宝石のようにキラキラしてる…。



「わ…かりました。います。」



コップを置いて陣先輩が眠るベッドの横に座った。
それを見た陣先輩は安心したかのように目をつぶった。


私は自分が風邪をひいたときにママがいつも頭を撫でてくれて頭の痛みも和らいだことを思い出して、陣先輩の頭を撫でてみた。
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