大好きでした。
「…。」



それは物凄く嫌だ。
今でも痛いのに。

仕方なく暴れることを止めて大人しくした。



「フッ…。」


「…。」



大人しくした私を見て先輩は優しく微笑んだ。
その微笑みにドキッとしてしまった。
それから保健室に着くまでずっと先輩の顔を見ていた。



「失礼します。」


「あら?陣じゃない?どーしたの?その子。」


「あぁ。うん。俺のせいで怪我した。」



そう言った先輩は私を見て悲しそうに言った。



「ち…違うんです!!私が遅刻しちゃって授業遅れちゃうから走れって言ってくれただけなんです!!」


「お前…。」



言い訳をした私を先輩は驚いた顔で見ていた。
実際走って勝手に転けたんだから先輩は悪くはない。
だから本当のことを言っただけ。



「そう。それじゃ、そこの椅子に下ろして。」


「あぁ。」



そう言うと先輩はゆっくり下ろしてくれた。
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