大好きでした。
「結構傷が大きいわね…。」


「大丈夫か?」


「はい。大丈夫です。」



隣にいる先輩が私の左手を掴んでくれていた。
その温かい手に安心して涙が零れた。



「消毒液かけるわよ?」


「は…はい。」



消毒液を優しくかけてくれたけどやっぱりすごく染みた。



「いった!?」


「大丈夫だ。もう少しだ。」



悲鳴をあげながら先輩の手をぎゅっと力強く握ってしまった。
先輩は私を慰めるように背中に腕を回して頭を撫でてくれた。



「はい。できた。」


「あ…ありがとうございました。」


「もう平気か?」


「たぶん…。」


「そうか。」



ホッとしたように笑った先輩に見とれていたら誰かが保健室に入ってきた。

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