人生をかける時



俺はトイレに立った


廊下には

壁に向かってネタの確認をしている
コンビがいくつかいた


他のコンビにネタを聞かれまいと

様々なスペースで

繰り広げられている



ネタの最終確認をしたり

時間ギリギリまで

体に覚えさそうとみな必死なのだ


漫才の世界は
0.00コンマボケのタイミングが
違うだけで笑いの量が変わってくる
意外とシビアな世界だ


いくらネタに自信があっても
練習をしなきゃ意味がない。



この大きな漫才大会。
一世一代の大チャンスを
努力なしで乗り越えられるものなんて
ないと誰もが知っていたから


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