君へ

第18章

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あたしは放課後、掃除が済むと早足で中庭で待つ夏恋の所へ行った。

「お待たせ~・・・って・・あれ?」

夏恋いないけど・・・

「夏恋~?・・・おかしいな・・・夏恋~?」

ガタッ

「・・ん?・・」

・・・・・

「キャアア!?」

ガッシャーン!!

「なっなんで!?」

タッタッ

「空乃!?」

「太陽!」

「なんか悲鳴聞こえてきたけど大丈夫か!?」

「あたしは大丈夫だけど・・花瓶が・・」

あたしの足の横には割れて散らばった花瓶の破片があちらこちらに落ちていた。

「んなことはどうでもいいけど、何で花瓶なんか落ちてきたんだよ!」

「あたしだってわかんないよ!夏恋待ってただけなんだから」

「一体誰が・・・」

「てか夏恋どこ・・?」

「あ、そーいえば、雑誌かなんか見せてもらうんだっけ」

「そうなんだけど、来ないんだよね・・」

「まあいいや。とにかく花瓶の破片集めねーと」

「あ、だね」

カチャカチャ

「・・よし、これで多分ok」

「これ・・先生に絶対怒られるよね・・・」

「俺らがやった訳じゃねーし」

「だけど・・・」

「寒いから今日はとりあえず先生に言って早く帰ろうぜ」

「うん・・・」

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