年上ドクター


それでお説教の理由は簡単。

最近喘息が酷くて薬で我慢してたけど、薬も無くなって喘息を放置していたのを学校近くでばったり合った琉くんにばれたと。

それで採血もされて泣いてるわけです。

「芽依。泣いて逃げてばっかりじゃ治るものも治らないよ。ちゃんと頑張って治そう?」

「…ん~っ…」

「めーいっ!」

いつもより低い琉くんの怒った声が診察室に響く。

琉くんは本当に怒ったらすごく怖いから今はちゃんと言うことをきいておこう。


「…ごめんなさぃ。」

蚊のような小さな声で謝る。


「ん。あんまり検査結果も良くないから次に喘息の発作が出たら入院も考えなくちゃいけないからね。ちゃんと病院に来るんだよ。」


「にゅっ…入院っ!?琉くんっ!あたしそんなの聞いてないよっ」


「今言ったんだから当たり前だろ。入院が嫌だったら具合悪いと思ったらすぐに病院に来ること。いいね?」


「…はぃ。」


「よし、いい子だね。」

さっきまでの怖い顔からは想像のできない笑顔で頭を撫でてくれる。

あたしって絶対子供扱いされてるよ。


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