【短】それでも愛してくれるなら
「俺が言える立場じゃないんだけど…嫌じゃないの?」


「嫌…?」


いつになく真剣な顔の藍。

何か悪いことを言われるのかな…。


「紗由と約束してたのに彩音と映画行ったこと。俺とその話すること」


「……ごめん、それはどういう意味で?答え方が分かんない」


嫌だよ?

嫌だけど、そう言ったらどうなるの?

離れていくの?




「俺、卑怯なこと言うよ?紗由は俺のこと本当に好き?俺は好きだから、少しぐらい妬いて欲しいと思ってしまう」


「……ほんとにズルイね」


”彩音”と別れる気はないくせに。

でもやっぱりうれしい。


「藍のこと大好きだよ。好きだから嫌われたくなくて、物分かりのいいフリをしてるの」


あたしをかわいくない女にしたのは藍なんだから。
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