【短】それでも愛してくれるなら
藍に出会う前のあたしは、男を取っ替え引っ替えして、だらし無い生活を送ってた。


本当に好きになった人なんていなかった。


二股、三股かけては、男を利用する日々。


今思い出しても吐き気のするような毎日。




そんな自分が大嫌いで。

あの夜は一人でやけ酒を飲んでた。




すると突然、隣いいですか?って男が声をかけてきたの。


またナンパかよってイライラしながら男の顔を見ると、あたしにはないキラキラした笑顔を向けられてて。

無意識に頷いてた。


「何かあったんですか?辛そうな顔してましたけど」


思えば出会ったときから、藍は優しかった。


「僕でよければ話聞かせてください」


藍はあたしの鉄の心さえも動かした。
< 6 / 18 >

この作品をシェア

pagetop