紫陽花~7色のヤンキー達~



夢…?


なんなんださっきのは


スゴくリアル


その証拠にあたしの頬には幾粒もの涙が未だに伝っていた



あたしの前に倒れていた人は?


あたしを止めに入った人達は?



誰の顔も思い出せない



どうして…?


ただの夢なの?



何もわからない


頬を伝いつづける涙の意味がわからずただ静かに収まるのを待つしかなかった



ピーンポーン



インターホンが鳴りドアを開けるとそこには燈頼がいた



「枕投げしますか?」


そういって自分で持ってきたのか真っ白な枕をあたしに向ける



あんなに嫌そうな顔してたのに…


『ありがと。でもごめんね。明日でいい?眠くなっちゃって…』





「わかりました。でわおやすみなさい。」



『おやすみ。』



――パタン



燈頼は優しいな


だって絶対あたしの目が泣きすぎて腫れてるのわかってるもん


それでも何も言わないのは何かがあったってわかってるから


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