紫陽花~7色のヤンキー達~
倒れてから数日
まだあの夢は見るけど病院で処方してもらった睡眠導入剤を飲んでいるから前よりは幾分楽になった
だけど気になることができた
夢の出来事をお母さんに話してからお母さんは夢の事を気にしているようだ
いつもと違うって訳じゃないけどなんとなくわかる小さな変化
あたしが夢の話をしたとき一瞬だけどお母さんの顔に悲しみと驚きの表情が見えた気がする
それでもお母さんは気にしない方がいい、ただの夢だからとあたしに言ってきた
もちろん紫陽花の奴等にも全て話した
あいつらはあたしの話を真剣に聞いてくれていてあたしの体調を凄く気遣ってくれている
あの泰芽まであたしにチョコを買ってきてくれるんだから相当だ
剣ちゃんもあたしの体調を気遣って軽めのお稽古にしてくれている
今日もいつもと同じように紫陽花の倉庫であたしはのんびりと雑誌を読んでいた
――ガチャ
と入ってきたのは燈頼と莢斗
今日はパーティーがあるとかで比奈汰と汰叶はいない
あの2人が行くんだから本当はあたしも行かなきゃいけないけどパパはあまり自分の事を公表していないのであたしは行かなくてもいいと言っていた
なんでもあたしが会社を継ぐ時にサプライズで公開するんだとか
パパらしい考えだ
「茉夜ちょっといいですか?」
真剣な面持ちであたしにそう訪ねる燈頼
『うんいいよ。何?』
「単刀直入に聞きます。あなたは何者なんですか?」
『はっ?』