学園恋愛事情
「花井さん?」
遠くから歌音を呼ぶクラスメイトの声に反応する歌音。
「カギ、先に取って来たよ!」
爽やかに笑うその人に、講介が不信がらないわけはない。
全力で自分との関係を否定する歌音に、もしかしたら…好きな人が?!
いや…いたら、誤解されたく無くて登下校も別々になるだろうし…。
「誰?」
「クラスメイトの関くん。当番が一緒なの。じゃ、行くね!!」
そう言って、関くんに向かって歩き出す歌音が、後ろを振り向いて笑顔で手を振って来るので、3人も笑顔で…もちろん作り笑いで、手を振りかえした。
「今…完全に嫉妬したでしょ?!」
「『誰?』だって!!」
茶化す様に由真が真似をすると、悔しそうに睨みながら
「だって、気になるんだら仕方ないだろ?!」
そう開き直った。