学園恋愛事情
その反応が面白くて、2人は顔を見合わせて笑うと、講介もいたたまれなくなって来る…。
「同クラの男にまで警戒するくらいなら、一掃のこと告ってすっきりしちゃえば?!」
講介のへたれぶりに、流石の由真もとうとう口を出す。
由真と里奈は、2人の関係を何も言わずに見守って来ていたが、これ程までに歌音反応がないので、何かアクションを起こした方が良いのでは?…と、感じたのだ。
「…まぁ、今のままじゃ勝敗は決まってるっぽいけど。」
里奈は、講介を鼻で笑う様に言った。
「…お前ら…本当に…。」
『感じ悪い。』
そう言ってやりたい気持ちを押し殺して、顔を引きつらせた。
講介自身も、歌音の事になるとどうしていいのかわからなくなる。
『幼馴染として一緒にいられる幸せ』
『恋人として一緒にいたい幸せ』
両方欲しいけど、もしかしたら…両方無くなってしまう『リスク』も併せ持っているから、事を起こしずらいのだ。