学園恋愛事情
講介は、ベッドに仰向けに寝っ転がって考えていた。



『初めての告白』
『ただの幼馴染』


歌音の言葉。
その意味と歌音の心が向かう方向を…。



『勝敗は決まってるっぽいけど。』
この言葉が胸に刺さる。


片腕を目にあてて…



「失恋、決定じゃん。…つか、何度もしてるつーの!!」



苦笑しながら流れる涙が止まらなかった。



昔からずっと…歌音のそばにいて、歌音のことが好きだったのに。
近過ぎて、俺の事なんて男として見てもらえてなかった…今頃そんな事に気付いたって…おせーよ!!

俺…バカ過ぎ。

それなのに…歌音の『特別』が嬉しくて、ただの幼馴染なのに『ずっといっしょ』だって言った言葉が嬉しくて…

ずっと前に…小さい頃に言われたその言葉を…俺が思う気持ちと一緒のものだと勘違いして…いい方にしか考えてなかった。



だから…



歌音を
俺じゃない誰かに…

他の男に取られるんだ。
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