学園恋愛事情
恋って
翌朝…。
いつもの様に歌音を迎えに行く講介の足取りは、想像以上に重く…数メートルの距離が何キロにも感じる。
『ピンポーン』
呼び鈴の後は早かった。
「講、おはよ!…行って来まーす!!」
玄関で待ってたんじゃないか?
そう思うくらい早かった。
玄関を飛び出して来た歌音に、おはようの挨拶も出来ないくらい複雑な気分。
それに対して歌音はルンルンだった。
昨日人生初の告白をされ、舞い上がっている。
『春が来た!!』
もう5月も半分過ぎているが、そんな気分だった。
「今日も部活、いつもと同じくらいの時間に終わるの?」
全く空気を読まない歌音は楽しそうに聞く。
ここまで来ると、天然と言うより『KY』と悪口を言いたくなるのが人間。
さすがの講介も、そう思ってしまう。
「…そうだよ。」