学園恋愛事情
「歌音。」
ドアを開けそう声をかけた。
それと同時に、歌音の顔が上がり目が合う。
「講!!」
弾いていたピアノも止めて、席を立ち、歌音がうれしそうに荷物を持って走り寄ってくる。
『まだ俺の。』
歌音の行動に安心した。
まだ俺の。
まだ、俺が一番。
幼馴染の登場をうれしそうに待っているんだから。
すると、さっきまで歌音が隣に座っていた
『先輩』
が、席を立ち近づいてくる。
「森井…講介くんだよね?」
そう言って近づいてくる。
優しそうに微笑んで。
余裕そうだな?
俺に走り寄ってきたんだよ?
あんたが好きだって言ってた子が。