学園恋愛事情
手を離すと、三木島は歌音の方を見て
「じゃ、花井さん。続きはまた明日。」
そう笑顔を向けていた。
つられて歌音も笑顔で返事をして頭を下げる。
「はい!ありがとうございました。」
「どういたしまして。気をつけて帰ってね?」
「さようなら。」
俺は、ただの挨拶にさえも入れずいにいた。
2人の世界な気がして、身がすくんでしまう。
悔しい!!
悔し過ぎる。
そんな俺に気付いた三木島は、また余裕そうに笑みを浮かべた。
「森井くん…彼女を宜しく。」
「先輩も、ありがとうございました。気をつけて帰ってください。」
俺は、歌音の背中に手を回し、一刻も早くここから立ち去ろうと促した。
ムカつく!!
あいつに歌音を渡したくない。