学園恋愛事情

『誰にも譲りたくないでしょ?』
『歌音のには森井しかいない』


昼間に聞いた由真と里奈の言葉が頭の中を駆け巡った。


嫉妬でおかしくなりそう。


あの2人は簡単に言いやがったけど、そんな簡単なものじゃない。

『幼馴染』

その関係と自分の気持ちを悶々と考えていた。



「講??」



歌音は何だかさえない顔つきの講介の顔を覗き込んだ。
いつもと違う。
直ぐにそう感じた。



「講ってば!!」



グイッと引っ張られて、顔が近づけられた。
顔が近くて思わず仰け反った。



「なっ…何!!」



「何って…何か変だよ?!」



「変だからって…近づき過ぎ!!」



歌音の肩を押して離す。


ある意味ドキドキして心臓に悪い。
…嬉しいんだけどさぁ。
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