学園恋愛事情
いつもはここで引いている。
歌音が嫌がらない様に。
歌音に嫌われたくないから。
でも、もうそんな事言ってられない!!
「歌音、俺は…。」
「ヤダ!!聞きたくない。講、変だよ?!」
振り返りもせずに、大きな声で講介に言う。
その歌音の背中を、眉を寄せて見つめる講介。
「歌音…。」
「歌音!!」
「講、いつもみたいに優しくない!最近ずっとイライラしてるし、怒鳴るし!!」
そう言って振り返る歌音は少し涙目だった。
気づいてるけど、もう止められない、止まらないんだ。
「歌音、話を聞けよ!!」
「講とはいつまでもこのまま仲良くしていたいの!」
歌音は気付いてたんだ。
でも、気づかないフリをして幼馴染で居たかったんだ。
「…お互い、何時までもこのままでいられる訳ないだろ?」