学園恋愛事情
未だに袖をつかむ歌音の手を払いのけて



「…1人で帰りたくなければ先輩にでも送ってもらえよ。」



意地悪な言い方…。
自分でも思う。

日に日に俺と歌音の間には溝ができて、俺はその溝を見たくなくて…自分で壁を作った。



「講…どうしたの?!」



歌音は払われた手を握りしめて、顔を引き攣らせながら笑う様に聞いた。

そんな歌音を見る事もなく…



「…彼女出来たから。」



「へ?」



歌音は息を漏らしたかの様な小さな声で…
驚きと言うより、衝撃で某前として居た。



「…森…井君…?!」



衝撃を受けたのは和希も一緒だ。

そんな2人の反応を見て、やさぐれている講介はフッと鼻で笑う。



「だってそうでしょ?!
彼女放って置いて、幼馴染なんかと帰るっておかしいじゃん!!」



ポンっと歌音の肩に手を置いて



「じゃ、そう言う事で!!」



そう言って、ドアに向かって歩き出す。









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