ヒーロー・ズ・ストーリー
愚かなる者のための場所
気付いたら俺は硬い地面の上に倒れていた。
周りは普通の暗さではなく黒い霧に覆われているようで、人間の目では数メートル先までしか見えない。
そして様子をみる限りどうやらここはどこかの洞窟のようだ。
壁からは何やら黒い液体がしたたり落ちてくる。
ときどきその液体が肌に触れ体を震わせる。
水であるはずなのに氷のように冷たいのだ。
そして俺はさっき何が起こったのか記憶を探ろうと立ち上がる。