天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ
教室前。

廊下の補修をしている小岩井に出会った。

「おはようございます…ルイさん…」

この人はいつもの調子。

だが、その視線にどこか憐れむような色を感じるのは気のせいか。

「何?小岩井さん」

「いえ…」

特に何も言わない小岩井。

しかし、その視線は何かいつもと違う。

「だから…何?」

「いえ…何もありません…」

黙々と作業を続ける小岩井。

だが、ルイが小岩井を通過して教室に入ろうとした瞬間。

「……頑張って下さい」

小さく呟く小岩井。

「だから何がっっっっっ?」

半分キレ気味のルイに返答する事なく、小岩井は廊下を歩いていった。

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