天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅣ
小岩井 防人は地味に凄い人
翌日。

朝の天神学園敷地内を、ツナギ姿の小岩井が歩く。

左手には大きなビニール袋。

敷地内に落ちたゴミを拾って歩いているらしい。

既に多くの生徒は登校し、教室でホームルームの途中だろうか。

ヒンヤリとした空気。

息を吐くと、それは白く凍りつき、ゆっくりと消えていった。

…呼吸をしている、寒さを感じる。

共に久方ぶりの感覚だ。

長い期間、この感覚とは無縁だった。

血が通った肉体の感覚。

『人間ではない』とはいえ、『生きている』という感覚…。

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