はじめまして、素敵な殿方。
in 2-2
「翠ーーーーーーー!!!!!」
昨日も聞いたその声に、翠はうんざりする。
「ほら、彼氏のお出ましだ。」
「彼氏じゃないっ」
「どおりで入り口がうるさいと思った。」
翠はこれ以上自分の名前を呼ばれるのは耐えられなかったので、とりあえず葵のところまで歩いていく。
「何か?」
「いや、なんとなく会いたくなって!!」
「(イラァ…)」
葵はスラっとしていて、顔も綺麗だし、なんかよくわかんないけど金持ちらしいし、いいヤツなんだろうけど、
「私はどうもお前を好きになれそうにない。」
その場の空気が一機に凍りついた。
これで金輪際まとわりつかれることはないだろうと翠は思っていた。
だが、その考えが甘かった。
「なら、好きになってもらえるように努力する!!!」
「はっ!!!???」
それでもくじけない男、それが秋馬葵だった。