はじめまして、素敵な殿方。

学校から10分ほど歩いたところにある駅についたとき、その違和感に耐えかねた翠は思い切って後ろを振り向く。

「…っ。」

後ろにいたのは。

「馬…。お前かっ。」

「バレちゃった?」

「はぁ。さっきからなんか付けられているような気がしていたんだ。気味が悪い。」

「だって、南校舎にいっても翠がいなかったから…」

「だからといって私を付けて良い理由にはならないだろう。」

「ごめんごめん。で、今日これからあいてる?」

「あいてるわけ無いだろう。私はお前と違って暇じゃないんｄ「そうかそうか！だったら僕の家に遊びに来てくれ。」

「人の話を・・・」

言い終える前に、いつからそこに留まっていたのか、黒い立派な車に葵は翠を押し込んだ。

「うわーーー!!!!誘拐だ!!!誘拐だこれ!!!!」

翠の叫びもむなしく、黒い車はどこかへと走り去って行った。