はじめまして、素敵な殿方。
。。。

「「お帰りなさいませ、坊ちゃん。」」

「ただいま。ただいまー!!」

行き着いたその場所は、立派な豪邸だった。

「日本にこんな場所在っていいのか。」

翠は車から降りるなり目を丸くして固まっている。

「ほら、行こう。」

「え、うわっ!!」

葵は翠の腕をつかんで強引に引っ張る。

「こら、坊ちゃん。女性をそのように扱うものではありません!!」

「うぉっ…っと。爺!」

爺と呼ばれた上品な初老の男性は、葵を叱ったかと思うとすばやく翠の方へ向き直り、声をかける。

「申し訳ございません。春日屋様。うちの坊ちゃんが…」

「え、何で私の名前を…」

「坊ちゃんからお話で存じ上げております故、ささ、どうぞ、こちらへ。」

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