はじめまして、素敵な殿方。
。。。


「で、つれてきたわけだ。この馬を。」

「馬?」

葵は翠にたずねる。

「いやいやいや!!馬って言うのは、ほら、馬みたいに葵がたくましいってこと!!」

あの後、いろいろあって、どうしても会いたいと迫られた晴は、しぶしぶ葵をこの南校舎に連れてきた。

そんな中、かなはのんきにお茶を飲みながら傍観に徹していたし、
秘密主義の翠は、三人以外の誰かを南校舎に入れることをとても嫌っているので、カンカンに怒っていた。

そんなこともお構いなしに、葵はずかずかとその場に入っていった。

「へぇー!!南校舎の中ってこうなってたんだ!!僕知らなかったよ!!」

「…で。私に何のようなんだ。」

「ああ!そうそう。さっきはぶつかっちゃってごめんね!あと焼きそばパンありがとう。」

「気にするな。で、それだけか。」

「もうひとつ!」

葵は大きな声を張り上げる。

「僕はどうやら君のことが好きらしい!!」

「はっ??」

「ブッ」

その場にいた三人は葵の発言に驚きを隠せなかった。

「かな!ほら、ハンカチ!」

「うぅっ…あ…ありがと。」

勢いあまってお茶を噴出してしまったかなを晴はフォローする。

ようやく落ち着いたかなは懇親の力を振り絞り叫ぶ。

「秋馬葵の好きなヤツって・・・・・・お前かっ!!!!!!!!!」
< 6 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop