はじめまして、素敵な殿方。
。。。

「もううんざり…なんで私が…」

「なに。モテる女はツライってか?」

「まぁ、お前よりモテるのは認めるが…」

「なっ…なんだよ!!そんな可哀想な目で見んなよっ!!」

休み時間、翠は隣の席の内田に昨日、葵との間に起こった出来事を一通り話した。

「でもさぁ、お前、どっちかっていうと女にモテてたじゃん。」

「えっ…そうなの?」

「そんなマジな顔するなよ!!本人自覚無しかよ!!」

言い忘れていたが、翠の容姿はけして悪いものではなかった。

小柄だが、手足は細く長かったし、綺麗に整えられた長い黒髪は周りの憧れだった。

男勝りなところも魅力のひとつである。

「内田。お前だって彼女いたじゃないか。」

「ははっ、二股かけられてたけどなぁあああああ!!!」

言い忘れていたが、内田の容姿は……普通。

「ひどいっ!!」

「何が?」

「あー。なんでもない。まぁ、とりあえずさ、様子見てみたら?葵ってかっこいいじゃん?俺の次に。」

「ははっ、冗談は顔だけにするんだな。」

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