ホワイトブルー

　まず最初に、わたしはそういう女ではない。そういう、というのは、男を買ったり拾ったりするような。むしろ、そこから対極にあると言ってもいい。
　
　わたしは二十歳になったばかりの大学生で、一人暮らしをしていた。仕送りだけでバイトもしていないから、派手にに遊ぶこともなく、もちろん見た目も地味で、毎日はアパートと学校の往復がほとんどだった。
　何でも話せるような友達もいない。
　だから、こんなことは本当に誰にも言えなかったのだ。

　それに……、大好きだった彼氏、わたしにとって初めての彼氏に裏切られて振られたばかりで、まだ忘れられないのもあり、他の男なんて考えられもしなかった。
　ストーカーになるほどの思いもなく、中途半端で宙ぶらりんで、自分でも本当に嫌になる。そのくせ、いつまでもぐるぐると同じことばかり考えていた。

　彼が、もし、戻ってきたら……。