忘れないよ、


でもね、泣いてばかりじゃいけないから、
あたし、泣くのやめて待つことにしたの。

あんなの冗談だよ、って
留衣じゃなきゃだめなんだ、って
また君が戻って来てくれる気がしたから。

待ってたら戻って来てくれるって、
そう信じてた。信じていたかった。

でもそんな報われない思い、
捨てなよって友達に言われたんだよ。

はやく忘れたら楽になるよ、って
あたしだったら諦める、って。
何度も言われた。

「忘れなきゃダメなんだよ」

この言葉も。

何度も何度も。


だけど、忘れられない。


忘れることんて出来るわけがなかった。

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