俺のこと、好きなくせに
俺も瞳もそこそこ成績が良かったもんだから、2年になるのと同時にそれぞれ学級委員長と副委員長に選ばれちまって、何かの行事前なんかは担任に雑用を頼まれ、二人で居残る事が結構あった。


俺はどちらかというとせっかちで、クオリティなんかは良いから、とりあえず終わらせちまおうぜ、というタイプ。


片や瞳は、じっくりと考えて、自分の中で納得がいってから行動を起こすタイプ。

見事に両極端な二人な訳で、それまでにも小さな衝突は何度かあったんだけど、その日、とうとうお互いが爆発した。


「もー!」


先陣を切ったのは瞳だった。


「結局やり直しじゃないの!だから、最初にきちんと計画立ててからやらなくちゃダメなのよ!」

「はぁ!?お前だって了解したじゃんかよっ」

「せざるを得なかっただけだもん!進藤君、すぐに機嫌悪くなるんだから」

「何だよそれ!俺一人のせいかよっ」

「ほら。すぐそうやってムキになっちゃってさ!子どもみたい」

「お前こそ、いつもトロ過ぎなんだよっ!だから俺が先に決める羽目になるんじゃんかっ」

「あー!人のせいにしてる~。男らしくな~い」

「何だと!?」


今から思えばガキの喧嘩も良いとこだ。
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