【短】最狂恋愛活劇
「俺は楓泰虎(かえで やすとら)」


立ち上がって、あたしを真っ直ぐ見ながら言い切った。


「由良の婚約者だ」


「は…?」


え?何て?


「俺、お前みたいな威勢のいい女、嫌いじゃねぇよ」


ニッて意地悪く笑った泰虎。

その顔を見て、沸騰してた頭が冷えた。


「今日の予定はキャンセルしたはずじゃ!?」


「バーカ。大事な女が体壊したなら、見舞いにくるのが当たり前だろうが」


さ、さっきから…コイツ何言ってんだ!?


目立つ金髪に、切れ長の目と筋の通った鼻。

見たこともない程ドデカい態度。


コイツがあたしの婚約者だあ!?
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