【短】最狂恋愛活劇
バシッ


宗太郎の手を払いのけると、あたしに向き直って言った。


「由良、今日は親父さんも出かけたみたいだし、またゆっくり会いにくる」


「嫌!もうアンタになんか会いたくないっ!」


ほんとに意味不明!

こんな婚約なんて、あたしは絶対認めない!


ポンッ


「……っ!?」


「俺は由良に興味が湧いた」


あたしの頭を優しく撫でながら、フッと笑った。


「近い内にまたくるから、それまでに体治しとけよ」


思ったより大きな手と、さっきまでとは違う表情に、一瞬胸がザワついた。


部屋を出て行く背中を、黙って見つめた。
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