★始まりはいつも☆
勘違い
カラカラとくじ引きの音が響く。
念力を込めるかのように、ひたすら睨む。


「あ、あの……怖いです」


そんな言葉がしていたが、聞き間違えかと思い、耳から通り過ぎていた。

知らないうちに、手に力が入ってて真っ赤になっていた。

変な奇声でも上げてやろうかと考えたが、可愛くないため諦めた。


「……ざ、残念でした」


私の覚悟も泡のごとく、幻となってしまった。

空虚となった手持ちぶさたを虚しく握りしめるだけ。


「なんか、やれそうな気がしたんだよ」


こういう風な時って、うまくいく寸法ではないかい?
なんかドラマの見すぎだと、自分でバカにすると、諦めて売り場から離れようとした。

頭全体に衝撃があり、目の前が一瞬だけ暗くなると足に力を込めていた。

目の前には誰もいなくて、下を見ると尻餅をついていた少年。
あれ、なんか真逆じゃない? 普通はさ、私が転んで手を差し出した少年と恋に落ちるっていう……。

また、なんか王道を望んでる。
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