責任取ってよねっ!
一歩前に、足を出したとたんに何者かに腕を引っ張られた。
「なに?もう行かないと間に合わないんだけど…」
マジでそろそろ行かないとヤバイのだが、相当困った顔してるし、置いていくという思考は働かなかった。
「学校…どっちだっけ?」
ちょっ!
まさかの方向音痴?
自分の行く学校の場所くらい覚えておけよ。
それに…
かっ…可愛いんだから、誰かに連れていかれないようにしないと、駄目じゃんか…
って、俺は何を考えてるんだ…
今の湊は男の姿。男に見えないけど。
なんだから、連れていかれるなんてことはないと思うが…
「こっち。」
俺は、湊の手を優しく掴み学校へと向かった。
回りの女子たちは、ニヤニヤしながら見ているがそんな視線は気にしないように前だけ向いて歩いた。
なんて湊の腕が細いんだ。折れてしまいそうだ。