責任取ってよねっ!
「うわっ…すごいね、一ノ瀬って人…」
蝶ちゃんは、全く一ノ瀬の顔には興味がないらしい。
私も興味はないけど、あんなに素晴らしいプレイを見せられると結構かっこいいなんて、思いたくなくても思ってしまう。
「一ノ瀬は、全国大会に出れるほどの実力を持ってるからね。」
「?」
ん?
蝶ちゃんどうしたんだろ?私、なんか言ってしまったのか!?
「どうしてそんなこと知ってるの?」
あっ…そうだった。蝶ちゃんは、知らないんだ。私を絶望におとしいれ、笑顔を奪ったやつが一ノ瀬だということを。
「えっ!?うっ噂で聞いたんだ!!うん。」
「ふーん…そうなんだ。」
私は、嘘を付くのが苦手みたい。すぐにばれちゃう。
たぶん、蝶ちゃんは気付いてる…私と一ノ瀬がなにかあることを。
気づかないふりして黙っていてくれる。
そんな優しい友達をホントの『親友』って言うんだと思う。