責任取ってよねっ!


結局、一ノ瀬のチームがリードして試合終了。
一度も笑顔を見せなかった。チームの人が一ノ瀬に『お疲れ様』とか、『凄かった』とか言っても一ノ瀬は何も聞こえてないかのように無反応。
どちらかといったらなんだか悲しそうに見える気もする。
そう見えるのは私だけかもしれないけど…


一ノ瀬のチームが退場してから、私たちはアップに戻った。


「なのは?」

「なっ!なに?」

「なんだか、考え事してる?」

蝶ちゃんは、なんでも分かるんだね。でもごめんね。私は、蝶ちゃんにホントのことを言えないの。
親友なのに隠し事をしてしまうの。
ホントに最低な人なの。
許してなんて甘いことはいいなくないけど、正直に言うときが必ず来ると思うから、少しだけ待っててね。
「なんでもないよ。」

私は、精一杯の笑顔を向けようとしたが、たぶん上手に笑えてない。
どうしても笑顔の仕方がわからない。
自然に笑いたい。
蝶ちゃんに心配かけたくない。
ただそう思うだけで行動に移せない自分がもどかしい。
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