責任取ってよねっ!

*蝶side*

「もっと近くにいってみる?」

私は、あんなすごいプレイをする人を初めて見た気がする。
身体のしなやかさ、膝のばね…何て言ったってあのシュートのフォーム。
見る人を虜にしてしまう。
だから、吸い込まれるようにあの一ノ瀬っていう人をもっとみたい。って思ってしまった。

「いいよ。」

なのはの了解も出たし、私たちは人混みを掻き分けて前の方に行った。

一ノ瀬のプレイを見ていた時、ふとなのはをみたら、とっても意味深な顔をして一ノ瀬を凝視していた。
どちらかといったらなんだか悲しそうに見えた。

何を考えているのか全然わからない。
さすがに人の頭のなかをわかるなんて能力を持っている。訳ではない。

「なのは?」

「なっ!なに?」

「なんだか、考え事してる?」

わかんないけどなんだか、悩んでる気がするの。でもなんだか、わからない。

「なんでもないよ。」

なのはは笑顔でそういった。

笑顔…
たぶんあの笑顔は、なのはの中で精一杯の笑顔だと思う。

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