チョコから始まる甘い恋
「これ、何故かは知らないけどある人から渡せって頼まれたの。じゃあ私たちはこれから部活があるから呼び止めてごめんね。」
そう言ってその女子生徒たちは私の教室から出ていった。
「なんだったんだろ…あの人たち。」
ふいにまだ私と教室に残っていた明日香がそんなことを言ってきた。
「え?手紙を渡してきたんだから理由なんてこの手紙しかないんじゃないの?」
「そ~じゃなくって…う~ん…まぁ~勘違いかもしれないけど…。……見てみ、その手紙。」
明日香がそう言うので私はさっき渡された手紙を開封した。
書いている内容は明日の放課後、用事があるから屋上まで来いのこと。
差出人を見ると何故か『石橋 基樹』と書いてあった。
「もぅ…なんなのよ…でも用事なら直接私に言えばいいのに…。」