社長の彼とあたしの最後の恋愛
診察室に入ると、優しそうな中年の女医さんがいた。
「じゃあ、超音波で見てみましょうね」
「はい…」
けっこう、この体勢は苦痛。
足を広げると、体の中に、何か器具が入ってきた。
「内田さん、横のモニターを見て」
「横?」
顔を向けると、白黒の小さなモニターがある。
「今、体の中を写してますから。あっ、ほら、これ…」
「こ、これ…」
「見えますか?この小さな黒い丸みたいなのが、あなたの赤ちゃんですよ」