夏休みのTシャツ
恭ちゃんと笑って話してるのは…………



えっ?!
高田先輩?



先輩がいる!!!!


お母さんもニコニコしてる。


それであたしのことを見てたのね。



それより、恭ちゃんって先輩と話せるの?
あたしだって話したことないのに…

うらやましいなぁ。

ふてくされてると恭ちゃんが話しかけてきた。

「今、俺のことうらやましいと思った?」

「なんで?そんなこと思わないよ。」

「だって口とがってるし、ほっぺも若干ふくれてる。」

ふぅ。溜め息をひとつしてみる。ここまでバレたら仕方がない。

「思いました!!だって、先輩はあたしの憧れだもん。」

「ほんとにそれだけ?スキっぽいよ?」

「もぉ、疑ってばっかり。少しはパートナーを信頼してよ。」

「信頼してないのはどっちだよ。俺に言ってくれれば協力してあげるのに。」

「いいの!!見てるだけで。一緒に練習できるだけで十分なんだから。」

「ふ~ん。まぁ何かあったらいつでも言えよ。」

「はぁ~い。」

そう、一緒にいられるだけで、練習できるだけでいいの。

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