夏休みのTシャツ
開会式が始まって、お偉いさんの長い長い話。

一列に並んだグループの最後尾。
あたしの目の前に立ってる恭ちゃんの背中はいつもより大人っぽい。

いつの間にかあたしの左手はまた右手を掴んでる。


ヤバいかも、あたし。
このドキドキは緊張だけじゃない。



バタッ!!


えっ?!音のしたほうを振り返ってみると、女の子が一人倒れてた。
先生たちが慌てて駆け寄る。なんか貧血みたい。


また前を向こうとしたら、隣の列にいた高田先輩と目が合う。


(うわっ。心の準備が出来てないし。)

慌てて前を向く。急だったからちょっと首が痛い。
あたしより後ろにいたんだ、先輩。すっかり忘れてた。


(なんか後ろから視線を感じる気がするけど、まさかね。気のせいだし。)


その後も倒れる人はたくさんいて、あたしも気持ちが悪くなって、座り込んじゃったからあんまり記憶がない。



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