夏休みのTシャツ
準備ができて恭ちゃんと一緒にコートに向かう。

通り道には人が多いからあたしたちは縦に1列になった。

ふと右手が目に入る。

開会式の時より力が強かったみたいで、掴まれた右手がジンジンしてる。





ドンッ!!






「うわぁ、ごめんなさい。」

ビックリしてつい大きな声がでた。

周りの人が一斉にあたしを見る。

なぜか前を歩いてた恭ちゃんの背中にぶつかったみたい。

反射的に謝ったけど、恥ずかしくてつい小声で文句を言う。

「ちょっと、急に立ち止まらないでよ。」

右手から目を離して前をみると、恭ちゃんと先輩が話し始めた所だった。

「いって~。優希、ちゃんと見て歩けよ。」


恭ちゃんは一度先輩との話をやめて振り返った。


「うん、ごめん。」

探してた先輩が前にいるのに、あたしは顔を上げられない。

先輩の足元ばっかり見てた。


(先輩の足首ってキレイで細~い…ってあたし何考えてるの?!)

「優希!!行くよ。」


「あっ、はい。」

いつの間にか話は終わってて恭ちゃんはまたあたしを呼ぶ。

また進みだした恭ちゃんの背中を追い、あたしも歩き始めた。




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