夏休みのTシャツ
最後に1回だけ先輩の顔見ておきたいなぁ……

そう思って先輩の横を通るとき顔を上げた。



バチッ!!




うそっ。
目、合っちゃ………


「頑張ってね。」


あたしに言ってる?

「あっ、はいっ。先輩も頑張ってください。」

「ありがと」



とりあえず返事はしたけど、ほんとにあたし向かってだったのかな?

だんだん不安になってきた……

変な顔してなかったかな?


でも。

でも、でも、
あたし言っちゃった。

頑張ってくださいって言えちゃったよ!!


しかも、ありがと、って。

自然と笑顔になっちゃう(ニヤケ?)


「恭ちゃ~ん!優希~!頑張って~」

観客席を見上げたら恭ちゃんのお母さんと、あたしのお母さんが手を振ってた。


あたしも小さく振り返す。

恭ちゃんは恥ずかしいのかな、下を向いてる。

先輩のことばっかり考えてちゃダメ。

いい結果を出せるように、今は試合に集中、集中。




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